詩の朗読再生
No.33 (1970年、33歳)
安住せよ・子を腹に抱えた男・立像
(セメント彫刻、175.5×41.8㎝、奥行35.5㎝)
百間川を散策した。
足元には、ヨモギ、オオバコが繁茂する。
野草が、僕に語りかける。
「がたがた言うな。安住せよ。足を地につけ、沢山の彫刻を作るのだ。それは、お前が、一番大切にしなければならない生き方だ。お前の体の中には、二人の子が、ドカンと位置を占め、生きることを主張している。二人の子は、お前の命だ。二人の子の成長を見届けるのだ。お前の父のように」。
僕は、大学院進学をきっぱりと諦め、就実に留まって彫刻を作る。
彫刻家として、精神の自由を、大切にして生きる。