詩の朗読再生
No.97 (1988年、51歳)
成長した3人の子
(セメント彫刻、199.0×37.0㎝、奥行37.5㎝)
結婚26年目。
成長した3人の我が子を見て、僕は、感無量だ。
26歳の長女は、この8月に結婚式を挙げ、名古屋で暮らす。
長女は、「幼い頃から母が仕事をし、寂しい思いをして成長した。私は専業主婦になり、子供が出来たら、手作りのおやつを食べさせ、手作りの衣服を着させて、毎日、子供中心の生活をする」と言う。
結婚を夢見る夢子ちゃんだが、僕は、「長女が、自分で現実の厳しさに気づくまで、思うようにさせてやろう」と、思っている。
24歳の次女は、絵を描いたり、ピアノを弾いたり、非常に繊細だ。
幼い頃は、病気をしない丈夫な子だったが、成長した今は、ストレスに弱くすぐ寝込む。
自分の将来を真剣に悩んでいる次女に、僕は、「生家で、ゆっくり羽を休めながら、これからの人生を考えなさい。体が弱いので、無理に働かなくて良い。歳老いた祖母の傍で暮らしながら、時間をかけて、納得出来る自分の生き方を見つければ良い」と助言している。
15歳の長男は高校生だ。
彼は、ドラムを鳴らし、絵を描き、本を読み、スポーツとは無縁の生活をしている。
妻に似た所があって、絵描きの素質はなさそうだ。
彼の将来は未知数だが、彼だけは、当分、僕の手元から去ることは無いと思うと、救われる。
僕は、息子が可愛くて 可愛くて仕方が無い。
妻は、息子の将来を心配するが、親は黙って見守ってやれば良いのだ。
必ず、自分でやりたいことを見つけるはずだ。