詩の朗読再生
No.80 (1984年、47歳)
人間の裏Ⅲ・愛と言う名の束縛
(セメント彫刻、104.5×54.0㎝、奥行27.0㎝)
結婚23年。
僕達夫婦は、互いの自由を束縛して生きて来た。
僕は、妻の束縛から解放され、自由を味わいたい。
軽い気持ちで、女の優しい言葉に、鼻の下を伸ばした。
妻は、僕に三下り半を突き付けた。
「私は、命がけで生きている。博士号を取ることは、病院で信頼される仕事をする為に必要なことだ」。
学位にかこつけ、僕を顧みない妻に、当てつけをしたい気持ちはあったが、妻と離婚する気は毛頭無い。
僕は、自分を恥じ、夏休みの1ヵ月、尊敬する斉藤国男氏所有の落合「紅寮実験ギャラリ―」で、自分の生き方を反省し、人生を総括するレリーフを、オムニバス形式で作ることにした。