動画と詩の朗読再生
No.11 (1965年、28歳)
身をよじって泣く女
(セメント彫刻、31.0×41.0㎝、奥行39.0㎝)
24歳の妻は、結婚生活と、大学専攻科卒業後就職先が見つからないストレスから、胃潰瘍になり、3歳と1歳の子を、自分の母に託して、1ヵ月入院した。
幼い二人の子を守れない悲しさと悔しさに、妻は、身をよじって泣く。
僕は、真っ白なシーツに包んで、妻の涙を拭い、その痛みを取り払ってやりたい。
だが、就実へ就職2年目の僕は、あまりにも無力で、妻の涙を拭ってやれる、真っ白なシーツを、持っていない。