詩の朗読再生
No.1 (1957年、岡大1年生、20歳)
男の立像
(初めての石膏彫刻、158.5×49.0㎝、奥行23.0㎝)
何不自由ない生活で、望めば何でも手に入ったが、抗いようがない、心の底から突き上げて来る不安と焦燥感が、いつもあり、孤独であった。
この頃の僕は、生きる目標が見つからず、底無しの暗闇の中で暮らしていた。
うつうつとした思いを、母と喧嘩して、庭へ火炎瓶を投げつけることで、爆発させた。
僕は、無意識に、命がけで暮らせる相手との出会いを、待っていた。
自分の人生を見つけることをひたすら願い、運命の人との出会いを待ち望んでいた。
不幸なことに、7年間の時を経て、婚約者のAとは、言葉が通じなくなっていた。